現在位置: ホーム ブログ Plone Conference 2009 の報告(1)
ブログ

Plone Conference 2009 の報告(1)

Ploneカンファレンスが行われた、ハンガリーのブダペストから無事に戻ってきました。

カンファレンスの概要

毎年、同じような時期に開催されています。今年はハンガリーのブダペストで行われました。開催場所は、オリンピックと同じように立候補地が名乗りをあげPlone foundation memberによる投票が行われ決定されます。今回はスペインのバルセロナと争い、ブダペストに決まりました。

期間は、下記の様に1週間のイベントです。
2009年10月26日、27日 トレーニングデー (参加せず)
2009年10月28日、29日、30日 カンファレンス本体
2009年10月31日、11月1日 スプリント(Sprint)

参加人数は、昨年より多く焼く400人が参加されたようです。
今回は、ヨーロッパからの参加者が多かったことはもちろんのこと、アジア圏内からも10名程度参加していました。日本からは当社から3名と、たかのりさんの4名でした。



カンファレンスの報告として、カンファレンス本体3日間について投稿します。

初日

会場が少し離れた川向こうの大学で行われました。宿泊地は中央部に近い地区でしたので、地下鉄とトラムに乗って会場へ向かいました。(トラムでのお金の払い方が分からず困りましたね)

会場では、名札をもらい、昨年も会った数名と挨拶を交わしたりし、メインのプレゼン会場へいきました。

まずは、主催者からの挨拶などがあり、どこから来たかに合わせて立ち上がりました。アジア・オセアニア・南米のグループで立ち上がったのですが、結構多いなと感じました。(おそらく20名程度)

その後、Limiによるキーノートが始まり、Ploneの現状やPlone4のリリース、Plone5(その中では2010年中頃としていた)への布石などが語られていました。

ここから、午後に掛けて、各ルーム(4カ所)に分かれて、セッションが行われました。

私は、下記の5セッションに参加しました。

Complex Forms with z3c.form

z3c.formの使い方の説明。多少かじったことが合ったので、復習の意味で良かった。zcml, py, pt と複数のファイルを使って構築していくので、展開が早かった気もする。


Plone Testing Tools and Techniques

テストは大事だよとか、こうやってテスト書いているよといった話。いろんなツールの話が出たが、結構当たり前のことが多かった気もして、すこし退屈だったかな?


Caixa Ecônmica Federal: How to build an Intranet with over 105,000 users


ブラジルでの大規模サイトの事例と、システム構成の話。参考になる部分も多かった。自分たちが構築している方法と、さほど考え方も違わないことを感じた。
後半、質問タイムで、使用しているVarnishのバージョンについて聞いてみた。すぐに答えがなかったかが、終わったあと、最新版の2.0.4だということを教えてもらった。
聞いた理由は、最新のVarnishにメモリーリークが有るのではないかと感じているからでした。このメモリーリークに関しては、他の場所でもいろいろと聞いたが、高負荷サイトで、それなりにキャッシュ時間を長くしていてる時に限って発生しているように思える。実際にはパージリストが肥大化するのではないかという話も出ていた。しばらくは様子を見るしかないか・・。


Managing multilingual sites

マルチ言語サイトの作り方の話だったが、ツールの話ではなく、どうやって運用しているか的な話が中心だった。XLIFF形式を利用して翻訳を管理したりしているようでした。


HRM with Plone

HRM(ヒューマンリソース管理)を行うパッケージをPloneで作って、SaaSでサービスしているという話。50人規模くらいの会社向けに作ったようで、AJAXなども取り入れ良くできているとは思うが、日本では使うシチュエーションが少ないかも??と思った。


2日目

2日目も朝から会場へ行き、朝食も現地で取りました。2日目も5個のセッションを聞きました。

Adding interactivity to your Plone site

動きの有るサイトを作りにはということで、AJAXやKSSの話が中心でしたが、20分間もPCとプロジェクタのトラブルで開始が遅れ、すごい早口でスライドを飛ばしながら概要だけを説明していました。

Troubleshooting Plone

開発中のトラブルをどうやって見つけて、解消しているかという話。基本的には、デバッグモードでログを見て、PDBなどを使って解消するしかないよと言う当たり前の結論なのですが、皆が使っている良いツールを教えてもらいました。「Products.PDBDebugMode」これは、Ploneでエラーが出るときに、エラーを出力せずにPDBのトレースに入ってくれるというもの。(Mac OSX 10.5+コンパイルしたPython2.4では、OSがエラーを出してPDBが使えないのですが、Mac OSX10.6にすればPDBが問題なく使えるようなので、これを多用したい)

Building Content Types with Dexterity

ATCTに変わり、Plone5から標準的に使われる予定の、Dexterityのお話。まだ完全にはできあがっていないが、非常に優れものだと感じた。Webブラウザからスキーマ定義や変更などが出来、それをファイルベースにも落とすことが出来るようになるようです。
すぐにでも使ってみたいという印象を持ちました。

A Look at Plone 4

Plone4に関しての新機能や機能改善の話。この中で、私たちが構築したPLIP9309のことも説明してくれました。
Plone4では20以上の機能が取り込まれます。その中でも大型ファイルの取り扱いに関して念願のblob対応がが行われます。これ以外にも、メールホストの変更や共有ロール関係などの変更が施されます。
いずれにしても、Plone4はPlone3からは大きく外れることなく進化をするという道を選び、Plone5で大きな変革をさせようとしているようです。

Building an Open Source Community in Education with Plone

Ploneを使う上での教育関係の情報共有などを目的として、コミュニティを作る必要が有るという話でしたが、特に具体的なことはなく、コミュニティを作ると言うことと事例の発表にとどまっていました。事例では、スペインの大学の例が紹介されていました。


3日目(オープンスペース)

今回初めての試みとして、前もってトークするする側が一方的に話をするのではなく、自由にディスカッションも含めてスペースを使うという場所が作られました。

ネタは、前日からボードに貼られ、7カ所に分かれて場所と時間を決めて、様々な話をしていました。
私は、モバイルの話、GPS(GEO)とちょっとだけDeliveranceの話に参加しました。最後の枠では、Ploneのマーケティングの話をしていました。MS-SharePoint との対決をどうするかとか、パンフレットを作るつもりだがどうするかというような話がされていました。ヨーロッパではそれなりの地位にあるPloneをどうやったらもっと商売につなげられるか的な話が多かったように思え、日本の現状とはちょっと違うなと感じていました。

それ以外の時間は、翌日のSprintへ向けてコードを書いたり、親しくなったブラジルから来ていた方と、Varnishのコンフィグファイルの話を1時間くらいしていました。大規模で高負荷なサイトだと思いますが、キャッシュ時間が短かったり、条件が多少違ったようですが、参考になりました。

モバイルの話では、日本のケータイにも興味があるようで、簡単に日本のケータイの特徴を話すことが出来ました。今後協力できれば良いなと思っています。

最後に

昨年よりも、カンファレンスの発表自体への魅力は少し無くなっているように感じました。事例を聞いても面白くない様になってしまっている、聞く側問題なのかもしれませんが・・。

Ploneは、もっと使いやすく簡単にという方向を求めていると感じています。
一つはデザイン変更。これについては、Deliveranceをつかうなり、自由度を上げるにはDecoを使うなりという方向性が、明確に打ち出されていると思います。
他には、データベース系ではATCTをDexterityに置き換え、Webブラウザからでもスキーマ定義が出来るようになっていて、難しさを排除した仕組みを目指しているように思えました。
comments powered by Disqus