オープンソースソフトウエアを使うこと
オープンソースソフトウエア(OSS)を使うことが、タダ乗りしているだけで申し訳ないという言葉を聴くことがあります。無料で使えるというメリットがあり、タダなので使わせて頂いていますというニアンスの声も聴きます。そんなに下手にでて使うという事は無いと思っています。
もちろん、使えていることに感謝をしメッセージを出すことはいい事だと思います。横柄に「使ってあげているんだ」とまで表向きに出されると、違う感覚が生まれますが、タダで使う人もOSSユーザとして、開発者から感謝されています。
経験談
本エントリーは、私の経験談に基づく、私自身の考えです。以下の経験からこのような発想を持っています。
まずは年表を記します。
- 2003年頃 Zopeと出会い使いはじめる。
- 2005年 Zope / Plone を専業にする会社(当社: CMSコミュニケーションズ)を立上げ
- 2008年 アメリカワシントンDCで行われた、Ploneカンファレンスに初参加
- 2009年 Plone 4へ向けて、東アジア言語の全文検索実装
- 2011年 PyCon JPの座長として国際イベントの開催
Zope / Plone / Python が無料で使えるこんなにすごいツールがあることを知り、のめり込み会社を起こして使っていくとになりました。最初は極東の島国で勝手に使って、なんとなく申し訳ない気持ちもありました。
それを変えたのが、2008年のPloneカンファレンスです。当時のPloneでは日本語や東アジア言語に多数の問題を抱え、日本語検索も出来ませんでした。その問題の解消を少しでも出来れば、何かしら貢献できると思い始めました。
翌年、Plone 4 のリリース向けての開発が始まり、日本語を含めた東アジア言語の全文検索の実装を行うことになりました。PLIPという仕組みを通して、いろいろな思想が見えてきました。
最初は、グローバルコミュニティに私が受け入れられるのかと心配しました。そんな中、カンファレンスでは、使ってくれているだけでありがたいという言葉や、世界中でPloneが使われることがこのコミュニティーの感心事であると感じ始めました。アジア地区のマーケット拡大などもコミュニティーでは話題になっています。
その後、開発への積極的な関わり、Plone関係のイベントのお手伝いなどを行ってきました。
最近では、Pythonのイベントを国内で開催したり、様々な形でOSSで関連しています。
様々なプロジェクトやコミュニティを見ていく中で、ユーザが多く興味を持つ人が多いプロジェクトの方が圧倒的に成功をしています。
OSSユーザのステップ
以下の様なステップでユーザ自身が出来ること、やりたいことが出来る自由なツールがオープンソースソフトウェアです。
- タダで使う
- 使い倒す
- バグ報告をする。(Twitterとかでつぶやくだけでも)
- ドキュメント翻訳やツール内の文言翻訳を手伝う(特に海外のプロジェクトの場合)
- 開発のお手伝いやパッチを送る
- イベントを開催する
- 有料サポートを購入
結論
まずは、タダで使い倒すだけでも、OSSプロジェクトのメリットになります。ユーザがいない、つまりマーケットが無いものを誰も作り続けませんしメンテナンスも継続しません。
開発者の最低でも10倍のユーザがいなくては、マーケットが無く、開発者も見向きしないツールになってしまいます。
堂々と胸を張って、オープンソースツールを使っている事を自慢していきましょう。